CyclowiredにTrekの新型Madoneについての記事が出てました。
今回のモデルチェンジによって6代目となったとのことですが、初代は2004年。もう11年経過したのですね。
「Madone」初代はアームストロングがツールドフランス7連覇中に投入されてきっちり優勝したことで話題となりましたが、結局ドーピングだったということで初代Madoneの性能がアームストロングの優勝に寄与するほど優れていたのかは正直分からないというのが今の時点の評価ではないでしょうか。
その後、何回もモデルチェンジを果たしてきましたが、今回外観も前作とは大きく代わり、個人的には外観フォルムはかなり洗練されているものを感じます。
アメリカ車というとフレーム含めたデザインはイマイチな点が否めませんでしたが、6代目Madoneは素直にカッコイイと思えるフォルムだと思います。
一方で、走行性能はどうなのか。
Cyclowiredの記事においては、「数々の新テクノロジーを投入することでエアロロードの概念を覆す程の走行性能を手に入れた」と書かれていますが、他のバイクメーカーが良くやるような何%ワット数を削減したといった話はひとつも出てきません。
ただ、今回、ケーブル類はほとんど内装化したということで、見た目はホントスッキリしました。エアロ的にも僅かではありますが、抵抗削減に寄与している事は間違いないです。
前輪ブレーキもインテグレーティッドされて、完全エアロという表現が相応しいです。一点、リアブレーキは前作とは変わって、シートステー付近に戻りました。やはりメンテナンスし易さを考えるとBB付近は無しとなったのでしょう。
また、Domaneに取り入れられているIsoSpeedをMadoneにも持ってきた事で快適性も向上したとのことです。
結論としては、ライダーにとって快適性は高まりましたが、レースで勝てる機材かというと、やはりライダーの脚力の差の方が大きいので今回のモデルチェンジが勝利へより近づくのに寄与しているかというと、なかなかYesとは言えないのだと考えています。
Trekの今年のレース成績を見ると、新型Madoneに移ってからまだ勝利できていないですし、そもそもここ数年、Trekがビッグレースで勝利した記憶はカンチェラーラしかありません。
別府選手は「こんなに速いバイクに乗ったことがない。早くこのバイクで勝負してみたいですね」」とコメントしていますが、早く結果を見せて欲しいものです。
まあ、選手はスポンサーのバイクに対して悪いことは言えないでしょうから、この発言は仕方の無いことだと思いますが、ユーザにとっては高い買い物となるロードバイク、選択は慎重にしてほしいと思います。
ひとつ言えることは、バイクを変えたからと言って劇的に速く走れたりはしません。ママチャリとロードバイクなら劇的に速度は変わりますが、各社のトップレンジのバイクであれば走行性能は似たり寄ったりになると思います。
また、数年前のロードバイクから最新世代のロードバイクに乗り換えても速くなりません。
10年前のTrek 5200からCanyonの2014年Ultimate CF SLXに乗り換えてほとんど速くならなかった自分が言うのだから間違いない(笑)
サガンは移籍してバイクがキャノンデールからスペシャライズド、S-worksに変わりましたが、変わらず強いですし、バイクメーカーが変わったから勝てなくなったというのはあまり聞いた事がありません。
何が言いたいかというと、おそらくTrekのMadoneの最上位グレードはDura-Aceで150万くらいすると思いますが、80万くらいの他社のDura-Ace車と比較しても速さの点ではおそらく大差ないですよということです。
速くなりたければ自ら鍛えるしか無いということです。
Trekがどれだけ好きなのか、カッコイイかといった観点で選ぶのは良いですが、速いかどうかでTrekを選ぶのは間違っていると個人的には思います。
■歴代モデルを乗り継いできた別府史之に聞く 完全なるエアロ化を遂げた新型Madoneのこと
【2015/10/10追記】
新型MadonoのインプレがCyclowiredに出ていましたね。
ここまで持ち上げるってある意味凄いと思いました。メーカーとショップの主従関係が良く分かります。